第三章 プラットフォームの時代
★デジタル文化を支えるインフラストラクチュア
★プラットフォームとは何か
★プラットフォームという名のビジネスモデル
★ネットワーク効果
★分散型サービス
★コミュニティーの創造
プラットフォームはネットワーク経由でコミュニティ(共同体)を創り出す。コミュニティのメンバー間の情報のシェアは、プラットフォームの付加価値である。断片的な情報はシェアを通してさらに情報がプラスされ、情報としての質を向上することで価値を高めるのだ。
数年前、ロシアに隕石が落下したことがある。落下直前の隕石をとらえた多くの映像、画像がすぐにSNSにアップロードされた。異なる場所、様々な方角から市民が携帯電話やスマートフォンで撮影した情報が世界に向けて発信されたのだ。
複数の市民が発信したコンテンツは、徐々に合体して全体像を形成し、生々しい隕石の実像を、リアルタイムでかつ明瞭に世界に伝えたのだ。
これは、ネットワーク上の不特定多数のメンバーが情報をアップロードし、コミュニケーション・コミュニティを媒体として社会に貴重な価値をもたらした典型的なケースだ。ネットワークの利用者は、自然発生的に構成されるその場限りの匿名のコミュニティに無意識のうちに参加し、貢献しているのだ。
ネット市場の機能を提供する交換型プラットフォームの場合、コミュニティの存在がユーザに経済的なアドバンテージを生み出す。
図3・2にはスマートフォンのアプリの利用者がネット上で、地球規模の複数のコミュニティに参加する状況が示されている。
たとえばアマゾンやアリババのユーザにとってのメリットは、ネットワークを通してコミュニティ内で交換される様々な情報だ。同じ商品でも、どこの店舗が安いかという価格比較、そしてその商品を購入し使用したほかのユーザからのフィードバック、つまり商品内容、価格の納得度、品質に関する満足度などである。ほかにも、「この商品の購入者は、次のような別商品を購入する傾向があります」というリコメンデーション情報の提供である。そのような購買の意思決定に直結する情報を、既存のリアル店舗においてシェアすることはほとんど不可能である。購買に関する定量的かつ定性的情報を、不特定の匿名参加者が形成する一時的なコミュニティの中で得られる。
同様にフェイスブックやツイッターなどのアプリを起動したユーザは、瞬時に地球規模のコミュニケーション・コミュニティの参加者に変身できる。
これこそがプラットフォームの中で創造されるコミュニティの価値とパワーなのだ。
★インター・プラットフォーム効果
★新たなプロダクトやサービスの創造
★クラウド+5G通信+ビッグデータ+AI
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